インフレ時代に生命保険は見直すべき?資産額・家族構成・2%物価上昇で考える適正保障額

物価上昇が続く時代、生命保険は入りっぱなしで良いのか。資産額や家族構成の変化、インフレ2%を前提にした適正保障額について考えてみました。

物価が上がる時代、生命保険も放置していていいのか?

投資や住宅ローン金利の話を考える中で、ふと気になったのが 生命保険の保障額 です。

多くの人が、

  • 社会人になったとき
  • 結婚したとき
  • 子どもが生まれたとき

に生命保険へ加入し、そのまま何年も見直していないのではないでしょうか。

我が家も結婚当初に職場で斡旋されて入った保険が割高でない確認をしたきり入りっぱなしになっていたため、物価が上がり始めた昨今において、本当に我が家に合っているのか、 一度立ち止まって考える必要があると感じました。

大前提

我が家の保険の考え方ですが、保険に加入している事態が発生した場合に、人生が破綻する といった内容ものもしか保険に入らないというのが大前提です。

具体的には、

  • 生命保険(掛け捨ての最小限)
  • 火災保険(持ち家なので)
  • 車の任意保険(対人・対物のみ)

くらいでしょうか。。それ以外のものは基本的に資産形成をして、貯蓄で対応とするのが基本だと思っています。

生命保険については、貯蓄型(10年とか20年とか払い続けたら、最後ちょっとだけ利子をつけて返してあげる)というプランもありますが、投資信託の積立をしている人からすると全然増えない + 満期まで下ろせない となるので、全くお勧めしません。


生命保険の役割は「万が一の生活費の補填」

まず前提を整理します。生命保険の主な目的は、

  • 遺された家族の生活費
  • 子どもの教育費
  • 住宅ローン返済の補填

など、万が一のときのお金の不足分を埋めることです。

つまり、

すでに資産でカバーできる部分まで
保険で重ねて持つ必要はない

というのが基本的な考え方になるかなと思います。


資産額が増えると、必要な保険は減っていく

モデルケースを考えてみる

  • 配偶者+子ども2人
  • 必要生活費:月35万円
  • 遺族年金などでカバーできる額:月15万円
  • 不足分:月20万円

この場合、
年間の不足額は 240万円 となります。

もしこれを 20年間 補うとすると、

240万円 × 20年 = 4,800万円

が理論上、必要な金額となり、非常に大きな金額にびっくりしてしまいます。ただし、上記は残された家族が一切働かないという前提になっていますし、保有資産額も加味していません。

もう少し掘り下げて考えてみましょう。


まず、最もわかりやすいのが保有している「資産」です

仮に、

  • 現金・投資信託などの金融資産:1,000万円

がすでにある場合、

4,800万円 − 1,000万円 = 3,800万円

つまり、必要な生命保険の保障額は3,800万円程度 になります。

👉 資産が増えるほど、必要な保険はシンプルに減っていきます。


住宅ローンを組んでいるか

生活費として計上した35万円のうち、住宅ローンの返済を含んでいる場合には、必要額が大きく変わります。

夫婦どちらかやペアローンでどちらでも対象など色々パターンはありますが、団体信用保険というのに加入している人が 他界した場合には、ローン返済が0 になります。

毎月10万円のローン返済をしていた場合には、月々の不足額が25-15(遺族年金)=10万円となり、年120万円なので

120万円 × 20年 = 2,400万円

と半額になります。

家族構成と年齢で適正額は変わる

また、生命保険は 家族の人数と年齢 に大きく左右されます。

子供が小さく、これから教育費・生活費が長期間必要な場合には、補償額は大きく必要になります。また、 子供の教育をどこまで想定するか(高校?大学?大学院?) によってもお金のかかる期間が変わります。

夫婦間で教育方針が違うことも多々あるので、共通認識も必要ですが、我が家の場合、最低でも大学までは親が支出してあげたいと考えています。

下の子の年齢が7歳として、浪人や留年がなくスムーズにいくと、大学卒業が22歳なので、15年の加入期間で良い かもしれません。(教育費が不要であれば、大きく生活費を節約しながら暮らすことも可能でしょう。)

そのため、「一度入ったら一生同じ保障額」という考え方は、 ライフステージと合わなくなっていきます。


モデルケースの場合も少し整理をすると。。。

期間は子供が大学を出るまでの15年間で、住宅ローンが0になる、また、手元に1000万円貯蓄を持っている、とすると、

120万円 × 15年 -1000万円= 800万円

となり、かなり現実的な生命保険の補償額になってきました。

ペアローンで夫婦ともにフルタイム労働であれば、夫婦ともに同じ設定で良いかもしれませんし、他界したのが専業主婦(夫)であった場合には、その人がしていた家事・育児といった部分を外注する費用として上乗せが必要かもしれません。


インフレ2%が続いた場合、必要保障額はどう変わる?

ここが見落とされがちなポイントです。

最近、ニュースなどで良く耳にする 年2%のインフレ が続くと、お金の価値は次のように変わります。

15年後の物価

1.02^15 ≒ 1.35

つまり、約1.35倍です。現在:月25万円の生活費が不足しているご家庭が15年後に必要になる金額は:

25万円 × 1.35 ≒ 34万円.
となり、同じ生活水準を保つには、保障額も約1.35倍必要になります。


定額の生命保険が持つ「見えないリスク」

生命保険には、保証金を一括で受け取るもの(以下、一括型)と、定額の保証金を年金のように小分けに振り込まれるもの(以下、年金型)と大きく2パターンがあると思います。(両方組み合わせたようなものもあるようですが)

インフレが2%で進んでいく中で年金型の生命保険にした場合、毎月10万円くらい受け取っていても物価が上がるので、同じ生活をするためには15年後に13.5万円ないとなるリスクは孕んでいるわけです。

オンライン見積りをしてみたら、一括型より年金型の方が、掛け金が割安に見えることが多いなと思い(保険会社はこの辺も織り込んでるんですよね。。)、

加入時は十分だった保障額が、
将来は足りなくなる可能性がある

というリスクを知らないうちに私たちは背負っていることを認識しないといけないなと思っています。

では、どうしたらいいか。。ですが、やはりインフレに強いとされている、株式や投資信託といった資産を保有するしかないのだと思います。

120万円/年 × 15年 = 1,800万円

ですが、一括で保証金を受け取り、すぐにS&P500や全世界株式などのインデックス投資信託に投資して、4%ルール(元金をあまり減らさずに使うには4%くらいがいいよ!という研究に基づく)で崩したとすると、

1,000万円 × 0.04 = 40万円

つまり、毎年40万円くらい投資が稼いでくれる可能性が高く

40万円/年 × 15年 = 600万円 

15年すると600万稼ぎ出して、元本の1000万円も残っている可能性が高いので、 一括で受け取る場合は、年金型より総額は少なくても良い はずです。

もらったお金を全額投資に回して、元本が減るかもしれないと思いながら4%で切り崩すのは 鉄の意志 が必要になるので、不安がある方は年金型+保険以外の貯蓄をしっかりしておくという方が無難かもしれません。

投資に慣れ親しんでいて、上記の行動が取れる方は、少額の一括型で金額調整をするのが最適解ではないでしょうか。

インフレ時代の現実的な考え方

ここまでを踏まえると、
インフレ時代の生命保険の考え方はこうなります。

  • 保障は「最低限」にする
  • 足りない分は「資産」で補う
  • 資産形成が進めば保険は減らす
  • 定期的に見直す(1〜2年に1回)

生命保険は 資産形成の代わりではない ということです。


投資をしている人ほど、保険を見直す意味がある

投資を始めると、

  • 将来のお金を長期で考える
  • インフレを意識する
  • 資産額の増減を把握する

ようになります。

結果として、

「この保険、今の自分に本当に必要?」

と冷静に考えられるようになります。


まとめ|生命保険は「定期点検」が必要な金融商品

  • 生命保険は入りっぱなしにしない
  • 資産額が増えれば、必要保障額は減る
  • 家族構成・年齢で適正額は変わる
  • インフレ2%が続くなら、保障額の実質価値は下がる

投資・住宅ローン・生命保険は、
すべて 同じライフプランの延長線上 にあります。

これからのインフレ時代、「考え続けること」そのものが最大のリスク対策なのかもしれません。