将来子供にはいくらの資産を残すのが最適か

Die with Zeroはギリギリを攻めすぎていて怖い。だとするといくら残すのが最適なのか。ブログを書いていたら気になったので、考えてみました。

「子どもにどれだけお金を残すべきか?」を考えてみたことがあるでしょうか?

このブログを書き始めて、遠い先の話のようですが、資産形成をしたり、取り崩しを始めたりし始めると考えることもあるかなと思います。

  • 多すぎると子供達への影響が大きすぎないか
  • 少なすぎると困らせないか
  • 老後資金とのバランスはどうするか

生成AIなども駆使しながら、先行研究なども複数調べてまとめた結果、「相続による資産増加が必ずしも幸福度向上に直結するわけではない」 という結論に至りました。

つまり、いくらが最適かは、分からない! ということです。

とはいえ、それだと何の指針にもならないので、統計データや研究、現実的な費用を見ながら「考えるべき方向性」は示すことを試みましょう。


① 実際の相続額の実態

まず、現実の数字を確認します。

ある調査では、子どもに残される遺産の平均総額は約3,273万円
中央値は約1,600万円という結果が出ています。(三井住友DSアセットマネジメント

これが「平均値」なので、

  • 1,600万円前後:一般的な家庭の中央値
  • 3,000万円前後:やや裕福な家庭の平均

というイメージになります。

ただし、数字は資産の多寡や地域、持ち家の有無などで大きく異なります。


② 残すべき額は「目的」で変わる

大切なのは、単に多ければ良いわけではないという点です。

子どもに残すお金には目的がある

代表的なもの:

これらは
単純に「何となく残す額」とは意味が違います。

子どもが将来安心して選択できる “資金的な余白” を残す方が、ただ相続額を大きくするよりもずっと価値があります。


③ エビデンスから見る「残す額」と行動

資産を残すことには必ず影響・意味があります。 研究によると、貯蓄のうち 13〜19% には
「遺産(bequest)意図」が含まれているという分析もあります。
これは裕福層だけでなく、中間層にも共通する傾向です。(研究1/研究2)

ただし、これは
「子どもの教育・生活を支えたい」
という動機と混ざっている場合が多く、

残すこと自体が目的
ではなく

どう使ってもらいたいかという意図

の方が重要だとされています。


④ 金額だけでなく「使うタイミング」も重要

重要なエビデンス(理論)としては、
現代の資産計画では「いつ渡すか」も価値を大きく変えます。

『DIE WITH ZERO』という書籍に代表される議論では、

  • 生きているうちに体験や経験に使った方が幸福度は高い
  • 子どもに渡すのは早めに経験させる方が意味がある

という考え方が提唱されています。

これは単にお金を渡せば良いという話ではなく、

  • 子どもへの教育・経験投資
  • 青年期のタイミングでの金銭管理能力育成
    を含んでいます。

この考え方をベースにすると、

子どもが成人する前後に
一定額を贈与しつつ
残りを老後資金として確保する

というミックス戦略が、合理的な選択の一つになります。


⑤ 「残しすぎること」にも注意がある

単純な相続メリットだけでなく、
心理面や行動面のリスクもあります。

精神科医の解説として、

遺産そのものが家族の不和・争いを招くことがある
介護をした子・しない子で争いになるリスクがある

という指摘もあります。(研究3)

また、経済学者や投資家の意見として、
「子どもにやりたいことができる余裕を残しつつ、
やりすぎない金額を残すべき」という考え方もあります。(研究4)

この視点は、

  • 過度に多く残して
    → 就業意欲を削いでしまう
  • 少なすぎて
    → 安心感を全く与えられない

という両極端を避けるためのバランス論です。


⑥ 実務的な数字感としての目安

ここまでの数字と考え方を踏まえると、
使う状況によって目安は変わりますが、ざっくり次のような範囲が参考になります。

目安の考え方(あくまで例)

  • 教育・青年期支援:約1,000〜2,000万円
  • 住宅・結婚支援:約500〜1,500万円
  • 生活支援・安全網:約500〜1,000万円

組み合わせると、

総額:2,000〜4,000万円程度

は、

  • 教育・生活支援の下支え
  • 老後の不確定要素とのバッファ
  • 心理的安心感

という観点から、孫の代まで困らないように支援をしてあげるのであれば、 平均ベースで合理的なラインと考えられます。

なお、これは相続税等を勘案したものではなく、
家族の意思と資産設計のバランスとしての話です。

また、ある程度は子供が親になる上で、自分たちも仕事をして稼いで10年・20年という期間をかけて使うものなので、まとめて必要な金額ではないことも留意しておく必要があります。

場合によっては、子供にも投資など金融教育もしておけば、複利と時間を味方につけてもっと少ない金額でも十分な支援になることもあるでしょう。


⑦ 子どもと話し合うことの重要性

調査でも、親子で「相続やお金の話」をしている家庭はまだ少数で、約半数が「話したいが話せていない」と回答しています。(親子のお金の話に関するアンケート

これは、

  • 子どもが将来どう使いたいか
  • 管理できるか
  • どのタイミングで受け取るか

などを含めて、事前に話し合うこと自体が価値になるという証拠です。


まとめ:大切なのは「額」ではなく「ストーリー」

  • 子どもに残す額の平均は約3,273万円、中央値は約1,600万円程度。
  • 教育費だけでも1,000万円前後かかる場合がある。
  • 遺産は単なる数字ではなく、使い道・タイミング・家族の価値に絡む
  • 子どもへの支援は早めの段階(教育・経験)にも価値がある
  • 過度な額は家族内の摩擦やモチベーション低下につながる可能性も指摘される。
  • 最後は自分の葬式代+αくらいあればいい

最終的には、

子どもにいくら残すかではなく、
どのように残すか、どう話し合うかが大事

という視点で考えるのが、
現実的でエビデンスにも合う結論ではないでしょうか。