貯金ゼロで投資を考える前に ――本当にお金がないときの「順番」の話

将来のお金のことを考えてSNSなどで資産形成のことを調べ始めると、すごい金額の資産を気づいた人が、出てきて焦りますよね。支出を減らして余ったお金を投資して!とか言われても全くそんな余裕がない!って人もいるんじゃないかと思い、そうなったらどうするのかを考えてみた。

SNSのおすすめを出すアルゴリズムのせいかもしれませんが、資産運用の記事の多くは、

  • まずは節約
  • 副業で月5-10万円
  • つみたて投資
  • インデックス投資を長期で

という話から始まるものがほとんどな気がします。

一方で、これは余力がある人の戦略であって、そんなこと言われても全く対応不可能!という人もいるんじゃないかと思った次第です。

もし、

  • 貯金がほぼゼロ
  • 借金がある
  • 家賃や生活費を限界まで切り詰めてもギリギリ
  • 副業をする体力も気力もない

という状況なら、
やるべき順番はまったく違うのではないかと思います。


まず前提:投資は「余剰資金」でやるもの

当たり前のようでいて、ここが一番重要です。

生活が不安定な状態で投資を始めると、

  • 価格変動に耐えられない
  • 途中で売らざるを得ない
  • 精神的にさらに追い込まれる

投資は人生を安定させる道具ではなく、
安定した後に使う資産形成をブーストする装置だということです。

順番を間違えると、武器ではなくリスクになることをもう少し強調しても良いのではないかと思っています。

実際、私の周りでも、SNSなどを見て投資を始めたけれど、計画を立てて長期投資をしているわけではなく、生活防衛資金との区別のないお金を入れているので、少し暴落したら怖くなって売ってしまって損をしているケースを何件も見聞きしてきました。。

以下、いくつかのステップで対策を検討してみます。


Step1:自分の怪我に気づいて、止血する

まず、最初にやることは増やすことではなく、自分が怪我をしていないか確認して、出血を止めることです。

投資の利息は、資産を増やす上で、非常に強力なパートナーになり得ますが、借金の利息は全くその逆で、強力な敵になることを意味します。

なので、

  • リボ払い・消費者金融などの高金利借金がないか
  • 滞納している支払いはないか
  • それ以外のローン等で利率の高いものはないか

あたりをチェックして止血することは非常に大事になります。

年利15%の借金があるなら、 年利5%の投資をしても意味がありません。

まずは「出血」を止める。

こういった状況の方は、明確に投資禁止ゾーンです。


Step2:国の制度で活用できるものをフル活用する

日本は税負担が重い代わりに、
セーフティネットは比較的厚い国です。

問題は「知られていない」こと。この国は、困っている人を発見して支援する力は弱く、困っている人から申請をして手を上げないと動いてもらえないことが多いです。

使える制度の一部を挙げます。

生活保護制度

最低生活費を保障し、医療費も原則無料になります。 最後の手段ではなく、法律で定められた権利です。

住居確保給付金

離職や収入減少時に、一定期間家賃を補助してくれる制度です。

高額療養費制度

医療費には自己負担の上限があります。 病気=破産ではありません。

就学援助制度

学用品費や給食費などを補助。 子どもがいる世帯は必ず確認する価値があります。

教育訓練給付制度

職業訓練の費用を補助。 副業よりもリターンが高い場合があります。

重要なのは、

制度を使うことは「甘え」ではない

ということです。

今の世の中は、医療や介護の制度を守るために非常に多くの税金を使っており、納税している働き盛りの若者にとっては、いきやすい世の中とは言い難い状況です。

きちんと働いて努力をしてもどうにもならない時には、使えるセーフティネットは使うべきでしょう。この国に生まれた限りは使える権利があるのあれば、恥じずに使うべきです。


Step3:労働の期待値を上げる

月1万円の副業よりも、

  • 業種変更
  • 職業訓練
  • 正社員化
  • 収入レンジが一段上の職種への移動

のほうが、長期的には圧倒的に効くことが多いです。

投資のリターンは年数%ですが、 職種変更は年収を数十%動かす可能性があります。

また、投資はリターンが約束されたものでないことがほとんどですが、労働は働く限りはリターンが約束されています。

まずは人的資本の再設計が最も大事だと肝に銘じましょう。

投資をするにしても、手元のお金があって入金力が初期では最も大事です。


Step4:はじめて積立

  • 生活防衛資金ができた
  • 借金が整理できた
  • 収入が安定した

ここでようやく投資が意味を持ちます。

投資は「再起の第一歩」ではなく、
再起後の安定装置です。

初期は、非常に小さい金額で初めて、増減幅を理解して慣れてきた頃に徐々に投資額を増やしていく。。くらいの心構えでいいかもしれません。


なぜこの順番が語られないのか

理由は単純で、

  • 制度は説明が難しい
  • 収益化しづらい
  • 投資のほうが読まれる

からです。

でも構造としては、

  1. ケガの発見・止血
  2. 行政の制度活用
  3. 労働再設計
  4. 投資

この順番以外に、再現性の高い道はありません。


最後に

本当に困っている状況は、
ブログを読んだだけで解決するものではありません。

行政窓口や支援団体など、
対面の支援が必要な場面も多いのが実情です。

それでも、

「いま自分は順番のどこにいるのか」

が見えるだけで、
選択肢は少し整理されます。

投資の前に、構造を。

それが遠回りに見えて、
いちばん確実な道だと思っています。