これまでにも資産形成や日本経済についても触れた記事を書いてきましたが、今回はさらに踏み込んだ、あえて直視したくない「最悪のシナリオ」をシミュレーションします。
もし、10年後、20年後の日本が、膨大な債務と人口減少に耐えきれず、事実上の国家機能不全(ソフトな国家崩壊)に陥ったら?どうなるでしょうか。おそらく、言語化できなくても、こういった不安を抱えている方は一定数おられるのではないでしょうか。
公務員の給与体系が維持できず、年金は雀の涙になり、公共サービスは有料化が進む……。そんなディストピアが現実味を帯びてきたとき、私たち個人にできる「プランZ(最終防衛策)」とは何でしょうか。
1. 「国家への依存」を1%ずつ削ぎ落とす
まず認めるべきは、「国がなんとかしてくれる」という前提の危うさです。会社員だけではなく、たとえ公務員という職種であっても、自治体の財政が破綻すれば、給与カットや人員整理は避けられない、そんな未来もシナリオとしては考えておく必要があると思います。
対策としては以下の2つが考えられるでしょうか。
- キャッシュフローの分散: 日本円の給料だけに頼るのではなく、副業(ブログ、デジタルコンテンツ、外貨建て資産の配当など)を通じて、 「日本政府の財布とは別の財布」 を小さくても良いので持ち始めること。
- 社会保障への不信: 「年金や遺族年金は、もらえたらラッキー」という極端な割り切りで、自己責任の資産形成(NISAやiDeCoを通じた世界株投資)を加速させる必要があります。
2. 「ポータブル・スキル」という名の亡命資金
資産防衛も色々と対策はするのですが、本格的に情勢が悪い方向に傾いて国家が揺らぐとき、最後に自分を助けるのは「形のない資産」です。
そういった意味でも、子供に授けたい教育は、「どこでも生きていける自信」だと思ったりします。 もし日本が沈没し、日本円の価値が紙屑同然になったとしても、 「英語で仕事ができる」「AIを使いこなして価値を生める」「専門的な課題を解決できる」 という能力さえあれば、海外市場へ「知的な亡命」をすることが可能です。
子供たちに授けるべきは、日本国内でしか通用しない学歴ではなく、「国境を越えても価値が変わらないスキル(ポータブル・スキル)」。これが、彼らにとって最大のインフレヘッジになります。
3. 「物理的な拠点」と「デジタルな逃げ道」の確保
(やや余談ですが)最悪のシナリオにおいて、金利にもよりますが住宅ローンをはじめとした大型の借金は、皮肉にも「要塞」になる可能性があります。
- 固定された住居費: 考えたくないですが、通貨価値が著しく落ちる(例:パン1個が10万)ようなハイパーインフレが起きれば、数千万円の借金は実質的に数ヶ月分の生活費程度の価値になるかもしれません。住む場所が確保されていることは、混乱期における最大の安心材料です。
- デジタル・ノマド的思考: 一方で、物理的に日本に縛られすぎない準備も必要です。いざという時に、PC一台あれば世界中どこでもキャッシュを稼げる状態を、親である私たちが築けていれば、選択肢の幅は全く変わってきます。
まとめ:絶望を「冷静な備え」に変える
「国家崩壊」なんて、大げさかもしれません。しかし、リスクマネジメントの基本は、最悪の事態を想定して、今できる最善を尽くすことです。
- 日本円以外で資産を持つ(外貨建て資産)
- 日本以外でも通用する力を磨く(外国語・専門スキル)
- 家計を透明化し、常に身軽でいる(資産管理とスリムな固定費)
この3つを淡々と進めていれば、たとえ国家という大きな船が揺らいでも、自分の家族という小さなボートは、荒波を乗り越えて次の大陸へと辿り着けるはずです。
「思考停止」が、最大の敗北です。 未来の子供たちに「あの時、備えておいてくれてありがとう」と言われるよう、今日も地道に家計の管理と、スキルアップに励みましょう。