「子どもの教育費は総額いくらかかるのか?」——子育てしていると塾や習い事、受験など選択肢がどんどん出てきて、お金をかけようと思えばいくらでもかけられる、泥沼にハマった気分になりまいますよね。。
ソニー生命が毎年実施している「子どもの教育資金に関する調査」(2026年版)によると、保護者が「子どもの教育にかかると予想する総額」の平均は1,458万円。前年より31万円減少したものの、調査開始以来ほぼ最高水準を維持しています。
我が家は現在インターナショナルスクールのプリスクールを卒業後の小学生がいますが、正直この数字を見て子どもに教育課金する側からすると「安く見積もりすぎ」と思いました。インターや塾・習い事などの課外費用を入れると、公式統計の「学習費」を大幅に上回るのが現実です。(実際、プリスクールや私立の小学校で年間100万円程度の学費は珍しくないので、1400万前後を中学に入るまでに支出なんて家もあるはず。。)
今日は「実態の数字の確認」と「いつから・何で準備するか」の全体設計を整理します。
1. 文科省データで見る「学習費」の実態
「教育費」といってもどこまでを含むかで大きく変わります。まず文部科学省が2025年末に公表した「令和5年度子供の学習費調査」から公式データを確認しましょう。
年間学習費(学校教育費+学校外活動費の合計)
| 学校種別 | 年間学習費 |
|---|---|
| 公立幼稚園 | 18.5万円 |
| 私立幼稚園 | 34.7万円 |
| 公立小学校 | 33.6万円 |
| 私立小学校 | 182.8万円 |
| 公立中学校 | 54.2万円 |
| 私立中学校 | 156.0万円 |
| 公立高校 | 59.8万円 |
| 私立高校 | 103.0万円 |
この「学習費」には、授業料・給食費・PTA会費などの「学校教育費」だけでなく、塾・習い事・学用品などの「学校外活動費」も含まれています。
すべて公立に進んだ場合(幼稚園3年+小中高各6・3・3年の計15年間)の合計はおよそ596万円。これに大学4年分が加わります。
大学の費用(4年間)
| 大学種別 | 4年間の目安 |
|---|---|
| 国立大学 | 約250万円(授業料約215万+入学金) |
| 私立大学(文系) | 約400〜450万円 |
| 私立大学(理系) | 約550〜600万円 |
| 私立医学部 | 2,000〜4,000万円(桁が違います) |
つまり「すべて公立+国立大学」のモデルケースでも合計は約850万円。「すべて私立+私立大学(文系)」なら2,000万円超になります。
冒頭の「1,458万円」という親の予想額は、現実の「公立寄りコース」と「私立多め」の中間点に近い数字と言えます。
2. 「お金がかかるタイミング」を可視化する
学校にはらう年間の学費については、統計もありますし、大体の計画が立てられると思いますが、教育費の怖さはそれ以外の「突然やってくる山」にあります。全て網羅できているかわかりませんが、いかに整理してみます。
- 幼稚園・保育園時代:我が家もそうですが、インターのプリスクールなどに入れると月10万円/月前後かかります。小学校受験する人は習い事などで数万円追加になります。
- 中学受験(検討する場合):小4〜小6で塾代が年間100〜150万円規模になります。最近は小学校1年生から通っている。。みたいな話も聞くので、どんどん早期化して費用が増えていく可能性もあります。
- 中学〜高校:部活費・修学旅行・制服等の出費が増加。私立などに行くと海外に行く経験なども増えてくるので、まとまったお金がかかることがあります。
- 大学受験に向けた塾代: 中学受験をして私立にいれたら終わりというわけでもなく、大学受験に向けて塾に入れる人もいます。塾の種類によってかなり差がありますが、年間100-200万程度かかることもあるでしょう。
- 大学受験〜入学:受験費用(3万円×受験学校数)+入学金(25-50万×2-3校:滑り止め含む)+前期授業料(30-100万)が同時に発生。100〜200万円が数ヶ月で出ていきます
特に大学入学時の「まとまった出費」は、準備ができていないと家計に大きなダメージを与えます。受験から入学までは半年ほどしかなく、「その時に慌てて用意する」のは難しい。だからこそ、早めの積み立てが重要なのです。
3. 準備の3択:学資保険 vs NISA vs 定期預金
「どれで準備するか」という問いに、万人共通の正解はありません。ただし、子どもの年齢や家庭の状況で「向き・不向き」はかなり変わります。
学資保険
向いている人:貯めた分を絶対に手をつけたくない・投資のリスクを取りたくない・保険とセットで安心感がほしい
リターンの実態:現在の返戻率は105〜110%程度。インフレ率2%超が続く最近の日本では、実質的に元本割れに近いケースも出てきます。
メリット:親に万が一のことがあっても保険料払い込みが免除され、満期金を受け取れる「払込免除特約」は強力。
デメリット:中途解約すると元本割れする。インフレには弱い。
NISA(積立投資)
向いている人:10年以上の運用期間がある・多少の値動きは許容できる・インフレへの対抗力が必要
期待リターン:長期では年率4〜6%程度(全世界株式インデックスの歴史的実績)。18年積み立てれば、学資保険との差は数百万円規模になり得ます。(学資保険のリターンが105-110%程度だったのに対して、200%を超えてくるイメージです)
メリット:運用益が非課税。インフレに強い。積立ペースを柔軟に調整できる。
デメリット:株価が下落した時期が入学時期と重なるリスクがある。「下がっているから解約できない」という状況には注意が必要。
定期預金
向いている人:準備スタートが遅く(あと5年以内に使う)、元本を絶対に減らしたくない
現実:金利は改善傾向にありますが、まだ0.1〜0.3%程度。5年定期でも得られる利息はわずかです。
4. 我が家の選択:「使う時期」で使い分ける
我が家の基本方針は「遠い将来の教育費はNISAで、直近5年以内に使うものは現金で」という使い分けです。
NISAで投資信託を積立設定しておけば、手間もないですし、リターンの差が大きすぎて、学資保険を使う理由が見つかりません。(単純に差額は保険会社の利益でしょう)積立途中で親の身に何かあった場合の保険がついている!という反論もありそうですが、その場合には、生命保険に入っていれば良い話です。(保証される金額にもよりますが、調べてみてもらえれば、大した掛け金ではないので、差額分には絶対にならないです)
大学入学は18年後(子どもが生まれた時点で)。このくらいの期間があれば、株式市場の価格変動リスクは時間分散でかなり吸収できると考えています。複利と長期投資の効果については以前の記事で計算しています。
一方で、「来年の中学入学費用」「3年後の受験塾代」のような近い将来の支出は、投資ではなく現金か短期の定期預金で確保しています。
NISAの積立についてはこちらの記事で詳しく書いていますが、大事なのは「教育費専用」と意識しながら積み立てることです。老後資金と一緒にしてしまうと、「子どもの入学で一部解約→老後資金が不足」という事態が起きかねないので。
また、高校まで公立を選んだ場合、2026年4月から私立高校も含め高校授業料が実質無償化されているため、高校3年間の授業料分を別途貯める必要がなくなっています。この点は私立高校無償化の記事でも取り上げました。
5. 「子ども1人いくら用意すべきか」の目安シミュレーション
最終的にどの進路を選ぶかは子ども自身が決めることですが、親としての「準備の目安」を示します。(この表だけ見るとすごい金額に見えますが、大学卒業までの22年で割って、さらに12ヶ月で割って、月平均にしてみて払えるかという見方の方が健全な気がします。)
| 想定コース | 目安総額 | 月平均| |
|---|---|---|
| すべて公立+国立大学 | 約850〜1,000万円 | 約3.2-3.8万 |
| 公立+私立大学(文系) | 約1,100〜1,300万円 | 約4.2-4.9万 |
| 公立高校まで+私立大学(理系) | 約1,200〜1,500万円 | 約4.5-5.7万 |
| 中学から私立+私立大学 | 約2,000〜2,500万円 | 約7.6-9.5万 |
これでもまだ金額が大きく見えるかもしれませんが、資産運用を組み合わせるとさらに負担は軽くなると思います。
子どもが生まれてから小学校低学年(8歳)までは、そこまでお金もかからないですし児童手当などもあるので資産運用の種銭を作る時期だとしましょう。
- NISA・インデックス投資(年利5%想定):約3.0万円/月
で積立をすると、8年間で約351万円の資産ができます。
これをすぐ売ってしまうと351万円よりは増えないので、使う分だけ少しずつ切り崩していきます。
5%で運用して増やしながら切り崩すので、22歳まで残り14年間は、約2.9万円毎月切り崩して使えることになり、使い切る時には、約489万円受け取ったことになります。
子どもが生まれた直後から始めれば、月3万円程度の積立で「私立大学コース」の教育費をほぼカバーできる計算になります。一方で「小学校高学年から始めよう」だと月5〜6万円必要になり、家計への負担が大きくなります。
貯めるタイミングをできるだけ早い時期にして、時間を味方につけて、貯める時と使う時をうまく使い分けることができれば、それほど恐れる必要もないのかな。。とは思います。
まとめ
- 子どもの教育費の親の予想平均は1,458万円(ソニー生命2026年調査)
- 文科省データでは公立一貫+国立大で約850万円、私立多め+私立大で2,000万円超
- 準備方法は「期間」で使い分け:使う時期が10年以上先:NISA、5年以内:現金・定期
- 学資保険は返戻率が低く、「払込免除特約」は生命保険でカバーするのが得策
- 教育費の貯蓄・運用は早く始めるほど、月の積立額は少なくて済む。生まれた直後スタートが最も有利
教育費の準備は「正解のルート」があるわけではなく、家庭の収入・子どもの進路希望・リスク許容度によって変わります。ただ、時期とやり方によってかなり差がでくるところなので、「何も考えずに子どもの大学入試の年を迎える」のだけは避けたいところですね。ß