中学受験の「費用の現実」2026年版——初年度104万円+塾費用180万円、わが家が試算した総コストと積立戦略

都内私立中の初年度学費は5年で8%上昇し平均104万円(2026年)。塾費用は小6で最大180万円。中学受験を検討するなら今すぐ知るべき費用の全体像と、準備を崩さないための積立戦略を整理します。

中学受験を「いつかは考えたい」と思いながらも、費用の全体像がよくわからない——そういう親御さんは多いと思います。

我が家も同じです。子どもが小学校低学年のうちから「中学受験するかどうか」という議論は家庭内で続いていて、その都度ぶつかるのが「いったいいくらかかるのか、正確な数字がわからない」という問題でした。

2026年9月1日、リセマムが都内私立中学184校の2026年度学費データを公開しました。初年度平均104万円、5年連続上昇という数字を見て、「これは早めに把握して準備しておかないとまずい」と感じました。今日はその内容を整理しつつ、我が家の費用試算と積立の考え方をまとめます。


都内私立中の初年度学費、いくらかかるのか

2026年度の調査(リセマム、対象184校)によると、都内私立中学の初年度平均学費は104万8,034円。前年度比で1.4%の増加、5年間では8%の上昇です。

費目別の内訳はこうなっています。

費目 金額
授業料 52万4,818円
入学金 26万3,929円
施設費 2万9,238円
その他(PTA・教材費等) 23万49円
合計(平均) 104万8,034円

授業料が全体の半分を占め、入学時だけにかかる入学金が26万円程度あることが特徴です。入学金は返金されません。

学校間の差も大きい。最高は上野学園(国際コース)の211万7,800円、最低は八王子実践の66万8,000円。倍以上の差があります。値上げした学校は51校、据え置きは130校。物価上昇の波は私立中学の学費にも確実に押し寄せています。


学費だけではない——塾費用がもう一つの「壁」

「私立中に入れるだけの学費」を計算して終わりにしてはいけません。中学受験において、塾費用は学費に匹敵するかそれ以上の支出になります。

日本経済新聞(2026年3月)によると、大手塾の小6の費用は150万〜180万円。これは年間の数字です。夏期講習・冬期講習・直前特訓など、月謝以外の費用が積み重なるため、予想より高くなるケースがほとんどです。

小5から通塾を開始すると仮定した場合の塾費用の総額目安はおよそ220〜300万円。この数字に、受験料(1校あたり2〜3万円×複数校)と入学後の初年度学費が加わります。


「中学受験トータルコスト」を試算する

受験から入学1年目までのトータルコストをざっくり試算します。

項目 金額(目安)
塾費用(小5〜小6の2年間) 220〜300万円
受験料(3〜5校受験) 10〜15万円
入学金(第一志望校) 25〜30万円
初年度授業料・諸費用 75〜80万円
合計(受験〜入学1年目) 約330〜425万円

この金額は受験から入学1年目だけの話です。中学3年間(入学金除く)の授業料・施設費の合計はさらに200〜250万円程度かかります。

子どもの教育費の全体像を整理した記事でも書きましたが、中学受験は教育費の「最初の大きな関門」です。この関門を通過するだけで、場合によっては700万円以上の支出が発生します。


費用が上昇している構造的な理由

なぜ私立中の学費は毎年上がり続けるのか。大きく2つの理由があります。

①人件費・光熱費の上昇。私立学校の運営コストの大半は人件費です。賃上げが続く中、それが学費に転嫁されるのは必然です。加えてエネルギー価格の上昇も施設費に影響しています。

②教育の多様化による投資増。国際バカロレア(IB)プログラムの導入、海外研修の充実、ICT環境の整備——こうした「付加価値」を高めようとする競争が激化しており、それが学費の押し上げ要因にもなっています。上野学園国際コース(211万円)のような高額学費は、この「グローバル教育投資型」の典型です。

この上昇傾向は、来年・再来年も続くと考えておく方が無難です。


中学受験費用、どう準備するか

知ってしまったからには、早めに備えるしかありません。我が家が考えている準備の方針を共有します。

①「受験決断」のタイミングと積立開始を連動させない

小4で受験を決断するとすると、小5・6年の塾費用(220〜300万円)を小4からの1〜2年で現金で用意するのは難しい。したがって、決断前から「受験するかもしれない」という前提で積立をしておくことが重要です。

我が家では、教育費を「10〜12歳で使う費用」として別枠で積立しています。ただし受験決定前に投資商品に突っ込むのはリスクがあるため、この分は定期預金か普通預金で確保する方針です。投資でいくら増やせるかより、「確実に使える現金があるか」が受験の文脈では大事です。

②塾選びで「実質コスト」を比較する

月謝は同程度でも、季節講習・特別講習の追加料金が塾によって大きく異なります。大手塾は小6後半から費用が急増する構造になっているため、入塾時に「年間トータルでいくらかかるか」を必ず確認することが重要です。「入塾しやすい月謝設定→後半で積み上げる」という構造は、受験業界でよく見られるパターンです。

③「受験しない」場合の費用との差分で考える

中学受験しなくても、公立中への習い事・塾費用は発生します。「受験するコスト」と「しないコスト」の差分で考えると、中学受験の純粋な追加コストが見えてきます。

中学受験の費用対効果を検証した記事でも書きましたが、「私立中に入れれば元が取れる」という単純な計算は成立しません。費用の大きさと、子どもに合った環境かどうかは、分けて考える必要があります。


まとめ

  • 都内私立中の初年度平均学費は104万8,034円(2026年度)、5年で8%上昇
  • 塾費用(小6)は大手で150〜180万円、小5〜6年合計では220〜300万円が目安
  • 受験〜入学1年目のトータルコストは330〜425万円規模
  • 費用上昇は構造的(人件費・教育多様化)であり、今後も続く可能性が高い
  • 準備の鍵は「決断前からの積立」「塾の実質コストを確認」「公立との差分で考える」の3点

「中学受験は費用がかかる」とは知っていても、具体的な数字を把握している親御さんは意外と少ないのではないでしょうか。少なくとも今日この記事を読んだ方は、数字を持った状態で子どもと進路を話し合えます。費用を知ることが、最初の一歩としましょう。


データ出典:リセマム「都内私立中、初年度平均学費104万円…5年で8%上昇」(2026年9月1日)、日本経済新聞「中学受験、かさむ費用 大手塾で小6は150万〜180万円」(2026年3月)