2027年スタートのこどもNISA——ジュニアNISA残高はどうなる?親NISAと使い分けるべきか?9歳・6歳の子どもで試算してみた

2027年1月開始予定のこどもNISA(こども支援NISA)を、ジュニアNISA残高との共存・親の新NISAとの優先順位・生前贈与としての活用という3つの視点で整理。年齢別シミュレーション付きで、我が家の戦略もお伝えします。

「こどもNISAの口座開設申し込みが始まった」という話を耳にするようになりました。我が家にはジュニアNISA口座がまだ残高があるのですが、新しいこどもNISAとは何が違うのか、同じ証券会社に両方置いておけるのか、そして親の新NISAが使い切れていない状況でどちらを優先すべきか——整理しておきたいと思い、まとめてみました。

子どもが9歳と6歳なので、「子どもに資産を渡す」という視点も交えながら考えます。


まず「こどもNISA」とは何か

こどもNISA(こども支援NISA) は、2027年1月開始予定の新制度です(2025年12月の税制改正大綱で正式決定)。主な仕様はこちら。

項目 こどもNISA
対象年齢 0歳〜17歳(18歳になるまで)
年間投資枠 60万円
非課税保有限度額 600万円(最長18年で枠を使い切れる)
口座管理 親権者が管理・運用
18歳以降 子ども本人の成人NISA(通常の新NISA)へ移行
投資対象 株式・投資信託(新NISAと同様の商品)

年60万円は贈与税の非課税枠(年110万円)の範囲内なので、贈与税は発生しません。非課税で運用した利益も、もちろん課税されません。

一部の証券会社では、2027年の制度開始に向けて先行して「未成年口座」や「こどもNISA事前予約」の受付を始めているところもあります(マネックス証券など)。


ジュニアNISAとこどもNISAは「別物」——同じ証券会社で共存できる

「ジュニアNISA口座が残っているが、こどもNISAも同じ証券会社に置けるのか?」という疑問は多いと思います。答えはYes、共存できます

ジュニアNISAは2023年末に新規投資が終了しましたが、残高は18歳になるまで「継続管理勘定」として非課税のまま保有し続けられます。この資産がこどもNISAに自動的に移管されることはなく、別々に存在します。

ジュニアNISA(旧) こどもNISA(新)
新規投資 不可(2023年末終了) 2027年〜可能
残高の扱い 18歳まで非課税継続保有 新たな投資枠
移管 こどもNISAへの移管は不可
18歳以降 成人NISAへ移行 成人NISAへ移行

つまり、ジュニアNISA残高はそのまま運用を続けながら、こどもNISAでは2027年から新たな60万円/年の投資が追加できるという構造です。二重に非課税の恩恵を受けられることになります。


「親のNISAが使い切れていない」——それでも子どものNISAに入れていいのか

ここが一番悩ましいポイントだと思います。

親の新NISAは年間360万円・生涯1,800万円という大きな枠があります。こどもNISAは年60万円と小さい。枠だけ見ると「親のNISAを先に埋めた方がいい」という理屈になります。

でも話はそう単純ではありません。両者の本質的な違いを整理します。

親の新NISAと子どものNISA、何が違うか

親の新NISA こどもNISA
投資枠 年360万円・生涯1,800万円 年60万円・生涯600万円
資産の帰属 親のもの 子どものもの(贈与として確定)
引き出し いつでも可能 18歳以降(制度設計によっては中途出金制限あり)
老後資金 使える 使えない(子どもの資産)
相続・贈与効果 なし 毎年の生前贈与に相当

親のNISAは「親の資産」、子どものNISAは「子どもへの贈与」——この違いが判断を分けます。

判断の分岐点:老後資金の見通し

ライフプランシミュレーションで整理した通り、老後資金の充足度が判断の分かれ目になります。

親のNISAを優先すべき状況

  • 老後資金がまだ十分でない
  • 教育費のピーク(高校〜大学)に備える資金が不足している
  • 繰上げ返済の資金が必要になる可能性がある

子どものNISAも並行してよい状況

  • 老後の見通しがある程度立っている
  • 相続財産を生前に子どもへ渡したいという意向がある
  • 年60万円 × 2人 = 年120万円の拠出が家計的に無理ではない

6歳のシミュレーション——18歳時にいくらになるか

2027年からこどもNISAを開始した場合のシミュレーションです。全世界株式インデックスへの積立を想定し、年率2%・4%・6%の3パターンで試算しました。

6歳の子ども(2027年〜2038年、約12年間)

年率想定 総投資額 18歳時の評価額 非課税運用益
2%(保守的) 720万円 約821万円 約101万円
4%(標準) 720万円 約938万円 約218万円
6%(楽観的) 720万円 約1,073万円 約353万円

6歳の子どもは、年率4%想定で18歳時に約938万円。大学4年間の学費(自宅外・私立理系で400〜600万円)を大きく上回る水準です。私立大学ルートの教育費シミュレーションでも示したように、大学費用の備えとして十分な規模といえます。

ただし、注意点として、子供の年齢が18歳に近ければ近いほど投資期間が十分な長さが取れないので、18歳時点での投資成績が良くない。。という状況があることも十分認知しておく必要があります。


「生前贈与」としての視点——相続税対策にもなる

もう一つ、あまり語られない使い方があります。生前贈与としての活用です。

親がこどもNISAに年60万円を入れる行為は、法的に「子どもへの贈与」です。親の資産がその分だけ減り、子どもの資産が増えます。贈与税の非課税枠(年110万円)の範囲なので税金はかかりません。

これは「もし親に相続が発生した場合、相続財産が毎年60万円ずつ減っていく」ことを意味します。子どもが2人なら年120万円ずつ相続財産が圧縮されます。

ただし、「名義財産」とみなされないための注意点があります。

  • 子どもがNISA口座の存在を認識していること(一定年齢以上)
  • 子ども本人(または将来の子ども)が使えるお金として贈与する意図が明確なこと
  • 贈与の事実が客観的に確認できること(金融機関の口座として記録が残る)

こどもNISAは金融機関に記録が残る仕組みなので、「名義預金」リスクを避けやすい点でも、贈与の手段として優れています。


我が家の方針——「親NISAを埋めながら、子ども分は並行して始める」

整理した上で、我が家はこう考えています。

ジュニアNISA残高はそのまま18歳まで継続保有。売らずに運用を続けます。

こどもNISA(2027年〜) は、2人分を年60万円ずつ、合計120万円/年でスタートする予定です。老後の積立(親のNISA)と並行して続けられる規模感かどうかを毎年チェックしながら続ける方針です。

親の新NISAは引き続き優先しますが、「使い切れていない」状態に対してあまり焦らないようにしています。親のNISAは老後のための器であり、柔軟に引き出せる点が大きな強みです。

大学など子供の教育費を作る目的でも良いですし、成人して社会に出て行ってからもずっと持ち続けるお守りとしていくら渡したいかといった視点で貯めるのもいいかなと思います。(子供の老後まで持ち続ければ、とんでもない金額まで増える資産になるでしょう。。)


まとめ

  • こどもNISAは2027年1月開始。年60万円・生涯600万円の非課税枠。一部の証券会社で先行受付が始まっている
  • ジュニアNISAとは共存できる。残高は18歳まで非課税継続保有。こどもNISAとは別枠で扱われる
  • 6歳の子供の場合の試算:2027年〜12年間で最大720万円投資→年4%想定で938万円
  • 親NISAとの優先順位:老後資金の充足度で判断。不十分なら親NISA優先。ある程度見通しが立っていれば並行でOK
  • 生前贈与として使える:年60万円×2人は贈与税非課税枠の範囲内。相続財産の圧縮という副次的なメリットも

「親のNISAが使い切れていないから子どものNISAに入れてはいけない」という法則はありません。両者の役割の違いを理解した上で、家計の状況に合わせてバランスを取ることが大切です。

家族全体のNISA戦略については、こちらの記事もあわせてご覧ください。